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2024/11/26(Tue)16:39
ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。 お気に召しましたらコメント頂けると喜びます。
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2008/03/18(Tue)20:53
汚らわしいとばかりに、手が振り払われた。
不愉快に思うより先に傷ついた自分がいて、それが少し不愉快だった。
「触るな――」
黒い瞳は切れ上がり、こちらを強く睨みつけてくる。
睨む、というような表現では温すぎる――焼き殺されそうな、眼だった。
「中国」
「お前は、阿片を吸った人間を見たあるか」
「……ああ」
「はっ……見てあの様あるか。尤も我が言える事ではないあるが」
恥さらし、と声を荒上げずに中国は糾弾する。
「恥を知るあるよ――よくもまあ、あんな薬の輸入差し止めが大義名分になったあるね。無理を通すにも程って物があるとは思わないあるか?」
「――――」
九票だ。
たった九票の差で、国が動いた。
「言っておくあるよ、英国――」
アジアの麗人は、艶やかに笑んで見せる。
「我はこれからも、お前に笑いかけるある。話しかけるし、冗談も言うし、まるでそのとおりにするあるよ。だけど――勘違いするな、」
我はお前を許さない、と微笑みながら中国は続けた。
「華の誇りを汚したお前を、許さない。絶対に許さない。責めるのは今だけだが、決して許したりしない。あの国民達を見て、あんなにしたお前たちを思って、その上攻め込み何もかも奪おうとしたお前たちを許せない」
「ちゅうご――」
「そうある。我は中国。世の中心に華は咲く――枯れたなどと、ゆめゆめ思うな」
毅然と言い放った後で中国は、「ごめんある」と、そこだけ酷く純粋そうな笑みで言う。
それは反則な、謝罪だと思った。
No.20|ヘタリア|Comment(0)|Trackback()
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