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メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
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2024/11/26(Tue)16:28

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英米加(米と加がちび)

2008/03/17(Mon)19:47

男と少年の声が響いている。

「カナダ! 皿を割ったのはお前か!」
「ふあ……!? ぼ、僕割ってな……い、よ……?」
「……アメリカがそう言ったんだがなあ。ならどうして最近俺を避けるんだ?」
「だって……イギリスさんは、僕の事、嫌いなんでしょう……?」
「はあ!? な、何でだよ? そんなわけないだろうが!」
「だって、アメリカが……」
「アメリカ?」

アメリカァ! と男の大声が聞こえた。

「あいつ何やってんだよ……ったく……!」


捜索が開始される。



「……バカリス」

屋根裏に潜んでいた少年は、不満気に唇を尖らせていた。


「バカナダ」


三人で仲良く何か――したくない。
二人の笑顔が、嫌いだ。

二人きりのときはそうでもないけれど、三人でいるときの笑顔は嫌いだ。
自分を置いてけぼりにして、二人で笑う二人が嫌いだ。

二人とも、自分とだけ仲良くすればいい。


「あーあ」

三人でいるのはつまらない。
一人きりはもっとつまらない。

そう思いながら、瞳を閉じる。
何時の間にか、眠ってしまっていたようだった。


* * *

「……カ! アメリカ!」
「…………ん」

がたがたと揺さぶられる。薄く開いた瞳に、カナダの心配そうな顔と、イギリスの怒った顔が見える。


「何やってんだお前は!」


ああ、怒られる。皿を割った事だろうか、それをカナダの所為にした事だろうか、それともカナダにイギリスが嫌いと言っていたと、嘘を伝えた事だろうか。


「どこ言ったかと思っただろうが!」
「アメリカぁ……」


あれ、何かおかしいなあと――目を完全に開く。


「か、勘違いするなよ……お前が心配だったわけじゃないんだからな!」


イギリスの言葉を聞いて、カナダが微笑んだ。それを見て何かいいかけ――結局、照れたようにイギリスも笑った。


「……あれ」

それは二人分の微笑だったにも関わらず、少しも不愉快じゃなくて。
気がついたら自分も笑っていたから、ああ三人分なんだ、とだけ思った。
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