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メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
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2024/11/26(Tue)14:50

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露日

2008/03/21(Fri)21:12

「きみがすきだよ、にほんくん」

耳元で轟音を掻き鳴らされた所為で麻痺していた耳に、幾度目かの告白が届いた。
時に理由のように、時に結果のように、時に冗談のように、時に本気のように。
叫ばれる愛は今日も笑顔で銃弾と共に在る。


「其うですか。其れは其れは、有難う御座います」


再び銃声。耳鳴り。音が聞こえなくなる。その刹那、ロシアの唇が動いた。何を言っているのだろう。聞こえない。だが、聞こえなくていい。彼の言葉など聞きたくない。人を傷つけ、罵り、呪う唇の動きなど見たくも無い。


「僕は君を僕の物にしたい。君が僕の物になるならどうなっても構わない」

デッドオアライブ――生死を問わずさ、と彼は嘯く。
それは重罪人に張るレッテルでこそあれ、思い人に囁く言葉ではない。


「日本人は、従わされるのが好きだって聞いたけど。従ってはくれないの?」
「違います。我々は従わされるのを好いて居る訳では無く、従う価値を人に見出すだけの事」
「それは遠まわしに僕に従う価値はないって言ってるの」
「春巻に包んだ云い方で申し訳無い」
「そうだね、僕にはあわない。正直に言ってみてよ」

嗚呼、そんなチャンスがあるとは思わなかった。
自分はにっこりと笑って、誰に憚ることもなく、音を振るわせた。




(あ な た が だ い き ら い で す !)

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