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メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
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2024/11/26(Tue)14:51

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露米露

2008/03/23(Sun)01:29

愚かしいよね僕達は、と呟きそうになってやめた。
その時彼はとても泣きたさそうな顔をしていて、それを眺めるのに精一杯だったからだ。


平和へと世界が進んでいく一方で、僕と彼は静かに争いを始めている。
それはとても愚かな事だ。世界中が平和に歓喜し平和を享受しようとする今、僕達は再び――否、三度になるのか、大戦ののろしの準備をしていた。

誰も争いなど望んでいないというのに。
互いの喉元に銃口を突きつけながら、僕達は笑う。
そこにあるのは信頼ではなく、自分が相手を殺せば相手からも殺されるという殺伐とした確信。
兵器はどんどんと増殖していた。

オーバーキル。

明らかに、殺しすぎだ。


「ロシア。諦めろよ、いい加減」
「それは君だろ、アメリカ君」

銃口が更に押し付けられる。どうせこの距離では大して変わらないというのに、不安なのだろうか。
彼の行動に答えるように、自分も彼の喉元に銃口を押し付ける。


「戦争は終わったんじゃなかったのか?」


ああ、彼がそんな事言うなんてとても意外だ。彼は戦争が好きなのだと思っていた。争いはともかく、その後の勝利を愛し、勝利を誇っているのだろうと。

正直自分は争いと言うのが好きではない(これは他方から意外だと言われるが)、他人から傷つけられるのなどまっぴらだ。カドメイアの勝利など、欲しくない。


「戦争は終わったよ。そしてまた、始まるんだ」


戦争を終わらせるには僕達は互いを疑いすぎた。結局はそういうことなのだろう。

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