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メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
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2024/11/26(Tue)12:49

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012.apoptosis(米日)

2008/01/05(Sat)22:59

※ 原爆投下直後の話。原爆擬人化で、痛い裏です。それでも良い方はどうぞ。




刃向ってくる東洋の、小さな島国があった。
妙な文化を育んでいる、よく理解できない国。
正義を気取る、おかしな国。

正義は――俺だって、言うのに。


「っ……あ……っぐ」


とても苦しそうだ。
他の連中はとっくに降伏しているというのに、最後まで――最後の最後まで粘って。
目の前で足掻いて、いる。


「もういい、リトルボーイ」
「はーい」


その名の通り、小さな子供を呼び寄せる。
国民の力を結集させて作った、破壊の子。


「日本? 起きてるかい? イきはしたみたいだけど、逝ってはいないのかな?」
「っ……極めて……良い目覚めですよ、アメリカさん」
「気に入ってもらえたようでよかった。それじゃあ、どうだい」


降伏してくれるかな、と俺は笑顔だった。
降伏すると思いますか、と彼も笑顔だった。


「しないのかい? そんなにされても――」


泥に塗れた彼の服はぼろぼろで。
乱暴に行為に及んだ後が見えて。


「――まだ、犯されたりない? はは、意外とスキモノなんだね、君」
「この程度で折られるほど、日の丸に誓った誇りは弱くないということです」
「誇り――か」


それはまるで硝子の花。
手折ってしまいたくなる、脆い美しさ。


「早く決めないと――その誇り、踏みにじりにまた、来るよ」
「私は大日本帝国です」


それは果たして何の宣言なのだろう。
立ち上がれもしない彼の哄笑が聞こえる。


「リトルボーイ、行くよ」
「はーい。ねえ、アメリカ」
「なんだい?」
「次はファットマンかな?」
「そう、だな――そうなるだろうな」
「あの日本って国、壊れちゃわないの?」
「壊れるかもしれない。君たちは、最悪の兵器だから」

けたけたと隣の少年は笑う。
全ての終りは目前に迫っていることを予感させる、笑い方だった。


apoptosis-不要物質自傷プログラム
(要らない部分から切り捨ててしまえ)(生命の維持にはそれが肝要だ)

 

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