忍者ブログ

メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
お気に召しましたらコメント頂けると喜びます。

[PR]

2024/11/26(Tue)10:49

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

No.|CommentTrackback

よくわからない話の2

2008/01/20(Sun)19:20

「ただ幸せにしたかっただけだったんだけどな」

その人は扉の前に立ち、そう呟いた。
大きいその体から、大きい手が伸びてきて、力強く力強く、僕の頭を撫でる。
ぬくも、り。

「俺には母さんを幸せにできなかった、」

ごめんな、□□。その声は僕には届かない。

「にげるの?」

そう問い返せば「ごめん。逃げる」と正直な解答。
嘘の得意な人であったのに、それが出来ないほど追い詰められていたのだろうか。
それとも、最後だから嘘でその場を誤魔化す必要などないということ、なのか。


「前に話したけど、俺は幸せな家庭とか――幸せな食卓とか、全然知らなかったから」

目の前にいる男の人は、本当の父親の顔を見たことが無い。
存命はしていたのだろうけれど、籍を置いていない。
俺の母親は多分妾か何かだったのだろうと、言った。

その男性の父親は七人いる。
僕の祖父は、七人足す一人で八人。


「だから俺は、幸せな家庭、作りたかったんだ」
「本当――父さんって」

その男性は。
僕が今まで見た中で一番不幸な人間は。
僕の、父親は。

「女運、悪いよね」
「かもな。家族運が悪いだけかもしれないけど――いや、やっぱ女運は悪くない」
「どうしてそう思うの、父さんの離婚遍歴見たらそうは、思え、ない」
「離婚遍歴とか、言うなよ。だってほら、あれだよ」

お前に会えたから運は良かったのさ、我が娘。
そんな風に、嘯いた。
PR

No.12|オリジナルComment(0)Trackback()

よくわからない話。

2008/01/18(Fri)21:02

矛盾のように思えるが、列記とした事実である。

僕に愛しているというその言葉も、僕を否定するその言葉も、全て同じ人間から放たれる物だった。
彼女の赤い唇は、さんざ僕を否定した上でしかし愛していると呟く。

罵倒するのに愛してしまう、しかし彼女は加虐趣味の権化というわけでは、ない。
愛しているのに罵倒してしまうというのが実際のところであるらしいのだ。

それは、やけに卑怯な事柄として僕の目に映った。
彼女が僕を愛する事、それは僕の彼女に対する抵抗権の喪失を意味する。
僕などという存在を愛してもらっているというのに、どうして抵抗など出来るものか。

「■■」

彼女は僕の名を、優しく、甘ったるく、吐き気が擦るぐらい愛情を込めて、呼んだ。

「何、母さん」

僕は笑顔で返答する。
返答したはずだったのに、僕の顔を見て彼女は厭そうな顔をした。

どうしてそんな不自然に笑うの何かのあてつけのつもりなの、と。

以前はどうして笑わないのかと問い詰められたから、その解決策だったのだけれど。
そううまく行かないものなのかも、知れない。

「ごめんなさい」

貴方の怒る声聞かないためだったら僕は死んでもいいといったらきっと笑うでしょうね。
嘘を吐くな冗談も大概にしろと、笑うんだろう、な。
なら実際に死んで見たら貴方はそれを信用してくれるだろうか。
それは絶対に起こすことがないからこそ羽ばたかせる事のできる妄想。


彼女の姿をじっくりと見つめる。
年の割りに綺麗だ、とは思う。
ただ何か物足りない。
あのよく動く喉にナイフが刺さっていたらもっと美しいのじゃないのだろうか、何て。
そうしたら僕に愛を囁く事僕を罵倒する事、何もかも出来なくなるだろうに。
だったらきっと僕達は、いい友人になれるはずだ、と。



階下で男女の罵りあう声を聞きながら、僕は己が解体される夢を、見た。

No.11|オリジナルComment(0)Trackback()

捏造卑弥呼さん

2008/01/16(Wed)21:11

歴史上の人物の凄まじい捏造ですご注意を。
あくまで捏造であり、妄想であり、事実史実に必ずしも忠実とは限りません。

で、且つちょいグロです。



つづきはこちら

No.10|オリジナルComment(0)Trackback()