学ヘタで裏な普洪。
下の奴の続きみたいな感じなので先にそちらから読まれた方がいいやも。
普視点。
それでも良い方は続きからどうぞ。
* * * * *
犯して、と形の良い唇が動いた。
暗闇の中、微かにしか見えない相手の身体の曲線、白い肌。
自分の物はそそり立ち、痛いぐらいだった。
そんな中女から発せられた言葉に――眩暈を覚える。
近づいてきた唇を受け止める。
処女なんておかしいでしょう? と耳元でくすぐるような声。
逆に安心した事など言うべくもない。
こいつに、自分以外の男が、触れていたなんて。
考えるだけで、吐きそうだった。
勿論そんな事は、少しも言えはしないのだけれど。
言葉は少しも役に立ってはくれない。
「エリザ」
唯一。
名前で呼ぶくらいは、できたから。
相手の名前を、ただ、呼ぶ。
暗い中でも相手の顔ぐらいは見えた。
その顔は、何故か悲しそうに笑ったように見えた。
とん、と突き倒すようにして、馬乗りになられる。
されるがままな自分が滑稽だ。
それは確かにお互い様なのだが。
「っ……」
女の冷たい指が肌を這う。
触れられた所に悶えそうな感覚が残った。
我慢ができなく、なる。
胸板に落とされる口付け。
ちゅ、と音がして、痕が付けられる感覚があった。
ああ、もう、部活の時バレちまうだろ。
でも嫌な訳ではけしてなく、だから柔らかい髪の毛を、手で梳くように動かした。
そのままもう片方の手で抱き寄せる。
肌と肌が重なる、感覚。
「ばかみたい」
私達、と女が言う。
全くその通りだと思ったら、何だか笑えてきて、笑った。
女の息遣いがこそばゆく、だから唇を再び合わせる。
「――犯してやるから」
痛かったら言え。
前後の言葉のそぐわなさが面白かったのだろうか、くつくつと笑う声がする。
この行為が終わったら、女を寝かしつけて。
眠っている阿呆面を拝みながら、言えればいい。
何を言うかはとうの昔に、決まっているのだから。
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