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メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
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普洪(学ヘタ)

2009/01/27(Tue)20:26

ケース1:普段憎まれ口しか利かない女子の部屋の前で自分の名前を聞いた時。

「ギルベルト?」
「うん。ギル君」
「あの馬鹿男がどうかしたの?」
「えーっとね。エリザ彼と知り合いじゃない? 紹介してほしいの」
「へ? 紹介して欲しいって――正気?」
「何よ。失礼な言い方ね!」
「あは……ごめんごめん。びっくりしすぎちゃって」
「まあいいけどさ」
「ていうか突然どうしたの」
「何がよ」
「あんな駄目男、つきあってもいい事ないわよ?」
「そんな事ないわよ。大体エリザだって長い付き合いでしょ」
「え――まあ私は、腐れ縁って奴で」
「ふうん。まあいいじゃない。してよ、紹介」
「紹介ねえ……別にしたって構わないけど」
「けど?」
「あいつ、目付き悪いし、柄悪いし、頭悪いし、性格悪いし」
「っぷ……いいすぎっ」
「そんな事ないわよ。夢見てるんなら今のうちに諦めた方がいいわよ」
「別に夢見てる訳でもないんだけど。目付き悪いって言うけど、彼の目元セクシーじゃない?」
「えー? まあ確かに格好いいと言えなくもないけど」
「でしょ?」
「うーん……馬鹿なとこも可愛いといえなくもないし」
「うんうん」
「なんだかんだで優しいとこもなくはないし」
「…………」
「柄は悪いけど――性根まで腐ってる訳じゃないし」
「……あー何か、やっぱいいわ、紹介」
「へ?」
「エリザ、好きなんだ、ギルベルトの事」
「な――何言ってんのよ、何で私があんな男――」
「ふうん? 無自覚って奴か、まあいいけど」
「ちょ、ちょっと待ちなさいって……っ!」
「じゃあね! ばいばい!」
「――もー、何なのよー……」



「……こっちの台詞だぜ」



ケース2:普段憎まれ口しか利かない男子の部屋の前で自分の名前を聞いた時。

「エリザだと!?」
「そ。エリザちゃん」
「はあ!? てめえ何言ってんだ!?」
「いや、だからさ、エリザベータちゃん、紹介してくれよ」
「お、お前馬鹿か!? あんな暴力女相手によく」
「それはお前が決める事じゃないだろ。お前仲良くなかったっけ?」
「ばっ……仲良くなんかねえよ!」
「あっそ。じゃあ他の奴に頼むわ」
「ちょっと待ちやがれ!」
「何だよ……今やけに煩いな、ギルベルト 」
「あの女は、止めとけ」
「だからそれはお前が決める事じゃないだろ」
「いや、お前はわかってねえな。あの女が如何に暴力的でがさつでイカれてるのかってな」
「……お前はわかってんのかよ」
「わかってるっつの。お前、あいつ今でこそ顔もスタイルもいいけどよ、昔は男みたいだったんだぜ」
「そんなもんだろ。今いいならいいじゃん」
「っ駄目に決まってんだろ!」
「何ムキになってんだよ」
「ムキになんかなってねえよ! 大体あの女は」
「女は?」
「……ローデリヒの坊ちゃんに、惚れてん、だよ……」
「……ギル、お前、泣いてる?」
「泣いてる訳ねーだろうが! だから諦めろって親切心で言ってやってんのに……っ」
「……わかったよ。俺が悪かった」
「わかりゃ…・・・いいんだよ」
「お前が惚れてんだよな、昔っから」
「はあっ!? んな訳ねーだ」
「じゃあ俺が狙って言い訳?」
「それはっ」
「駄目なんだろ。素直になれよ」
「それは俺の為じゃ……!」
「はいはい。わかったわかった」
「てめえ話を――って切りやがったな!」



「……何で、泣くのよ」

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