忍者ブログ

メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
お気に召しましたらコメント頂けると喜びます。

[PR]

2024/11/26(Tue)12:36

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

No.|CommentTrackback

米ベラ露2

2009/03/05(Thu)22:19

二つ目。
徐々にデトックスする方向で。
なるべくほのぼのを目指したいものです。

2.


ロシアの姉妹達の事は知っていた。
姉とは話した事もあるが、妹の事はリトアニアから聞いたっきりである。
ロシア自体とは余り会話をしないし、大体彼は姉妹の事を余り話さない。
リトアニア曰く、とてもロシアの妹とは思えないほど可愛いのだそうだ。
確かに見た目は可愛いとはいえなかったが――しかし。
 
「リトアニアも存外趣味が悪いなあ」
 
ああいう棘、と言うより毒の強いのが好みなのだろうか。
でもまあ――面白い、とは思った。
 
そもそも自分はあの北国が好きではないのだ。
その妹にちょっかいをかけるのも、悪くない。
一体あの男はどんな反応を見せるのだろうと思うと、それはそれで楽しい考えだった。
 
「なあ、ロシア! 俺達もっと仲良くしてもいいんじゃないか?」
「そうだねえ、僕は君とはこれ以上ないくらい仲良くしてるよ?」
 
これ以上仲良くなんて考えられないよ、と普通の会話に混ぜて、さらりと嫌味を吐くロシア。
暗にこの程度の仲の良さが最大限の譲歩だといっているのだろう。
 
「いやあ、人間挑戦が大事だと思うんだよ!」
「僕達人間じゃないけどね。大体君みたいな若造が言っても少しも言葉に含蓄がないし」
「ははは、喧嘩売ってるのかい?」
 
僕らが喧嘩すると皆が泣くから止めておこうよ、と言うロシア。
全くその通りだと思った。
 
「でも、突然どうしたの? アメリカ君がそういう事言い出すって事は、また、ろく――じゃなかった、とんでもない事考えてるんでしょ?」
「別にそうでもないぞ」
 
ベラルーシを俺に預けてみないか、と言うと――ロシアは一瞬今まで見たこともないような表情をした。
その顔が愉快だったので、それだけでも言った価値はある。
 
「ベラルーシ? 知り合いだったっけ?」
「この間友達になった所だ!」
「何か、これから悪い事するから人質としてベラルーシ渡せって言ってるように聞こえるんだけど」
「俺は悪い事なんかしないぞ、ヒーローだからな!」
「"僕に都合の"悪い事だよ」
「――何もしないさ」
 
ただの暇つぶし、とそれは多分嘘ではない。
ただの嫌がらせ、とも言えるのだけれど。
 
「まあ――いいけどさ」
 
ベラルーシが僕の弱点になると思ってるんなら間違ってるよ、アメリカ君。
それは何の牽制のつもりなのだろうか。
そんな事はどうでもいいと言うのに。
 
御しがたいあの態度が、面白いと思った。
 
そもそもそれが第一なのか、と自分の思いにふと気がつく。
世界に生まれた日に見た極寒の大地のように凍てつく瞳は、蠱惑的にこちらを誘うのだ、と。
PR

No.43|ヘタリアComment(0)Trackback()

Comment

Comment Write
Name
Title
Mail
URL

Pass Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 

Trackback

URL :