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メッツェンメチル

ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。
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2024/11/26(Tue)14:34

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米日

2008/05/28(Wed)22:20

「どうして君達は古い物をそんなに有難がるんだい?」

戯れだった。
しかし、本気の問いではあった。

「達……と、言いますと」
「君とか、イギリスとか、ギリシャとかもかな……あ、中国も微妙にそうかもしれない」
「そうですねえ。年寄りだからですかねえ」

明らかに誤魔化しだとわかる台詞である。
むくれたこちらの様子がわかったのか、目の前の男は苦笑してみせた。

「それは所謂価値観の相違という奴です、アメリカ君。説明したってあなたは納得しないでしょうし、多分理解も出来ないでしょう。だからそういうものだ、としかいいませんよ」
「何だそれは、」

まるで大人の言い訳じゃないか。貴方だっていい大人でしょう、と苦笑はやまない。

「桜を綺麗だとは思いませんか?」
「そりゃ思うさ。君がくれた桜は俺の家にあるぞ」
「要するにそういう事なんですよ」
「桜は古い物か?」
「桜は新しい物なんですか?」

男曰く、桜は枯れ、そしてまた新たに木が生える。そんな事を随分と長く繰り返して来た、だから桜は古い。
だけども、桜は新しい芽をつけ、咲き誇る。それを毎年繰り返していくだろう、だから桜は新しい。

「……まあ、では、我々の価値観は桜が綺麗だという事で一致するという事で」

まとめるようにそういってから「とりあえず桜でも見に行きますか」と男は立ち上がった。

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