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ヘタリア・京極堂シリーズ等の無節操な二次創作と、オリジナル。傾向等は最古記事をご覧下さい。 お気に召しましたらコメント頂けると喜びます。
2008/01/18(Fri)21:02
No.11|オリジナル|Comment(0)|Trackback()
2008/01/07(Mon)09:37
「修ちゃんの箱男。箱箱箱はこはこはこ!」
「箱箱連発すんじゃねえ。大体なんだ箱男たあ」
「豆腐でもいいぞ! 箱に箱と言って何が悪い、いや悪くないッ!」
「もうてめえには付き合いきれねえよ礼次郎」
「付き合わなくていいぞ! 付き添えばいい!」
「わかんねえっつってんだろうがこら。殴るぞ」
修ちゃんが好きだと言ってるんダッ、と力を込めて目の前の男は言った。
どこの会話を取ればその答えが得られるのか、理解に苦しむ。
「お前カマは嫌いじゃなかったのか」
「カマとカマドウマとマスカマとぱさぱさしたお菓子は大嫌いだ! でも修ちゃんは好きだぞ」
「おい一つ増えてるぞ……ってかそれ、カマだろうが」
「カマじゃない。僕は男で修ちゃんも男で、僕は男として男の木場修が好きだと言ってるのだ」
「そうかよ」
「わははははっどうだ参ったか!」
「参った参った」
どうせいつもの通り、じゃれているだけだ。
尋常小学校からの付き合いでも、この変人の事は少しも理解できない。
「木場修。木場修太郎」
「何だってんだ」
すき――とそう言って振り返った男の姿は、麗人と呼ぶに相応しい程美しかった。
「……何やってんだ俺ぁ」
一瞬見とれた気もする。
変な思い違いを起こしていないといいのだが。
2008/01/05(Sat)22:59
2007/12/31(Mon)11:11
黒猫は本を読んでいる。
ソファの上に大きな体を寝かせて、本を読んでいる。
私は彼を見つめている。
「教授ー」
「……………」
反応がないのはいつもの事である。
つまらないけれど、余り話しかけると嫌われてしまうかもしれないと思うと、何もいえなかった。
私も本を読んでいる時に、話しかけられるのは嫌だから、よくわかるのだ。
「亜衣ちゃん」
「?」
教授は片手で本を読みながら、もう一方の手で本を差し出してきた。
「面白かったよ」
差し出している本の感想、らしい。割合薄い本だった。
自分が読み終わるまで読んでいるようにという事かとも思ったけれど、教授の持っている本は分厚く、まだまだ最後まで行きそうになかった。
単に、面白かったというだけなのかもしれない。
「ありがと」
お礼を言って受け取って、開いて見る。
不満が言える訳もなくて、一応この本は気遣いなのだろうから、読んでみようと。
それでも集中しているとは言い難く、私は全然良い読者なんかじゃなくて、読み終わるまで随分時間が掛かってしまった。
薄い本だと言うのに、いつもの三倍ぐらいかかったかもしれない。
読み終わって再び、教授の方を向こうとすると――
「亜衣ちゃん」
「わわわわわわわわわわっ」
黒い塊が突然目の前にあって、吃驚した。
「きょ、教授……読み終わったの?」
「うん。丁度同時に読み終われるぐらいの本、渡したからね」
「でも――この本、教授のに比べて、すごく薄いけど」
「僕は名探偵だからね」
教授は不遜に笑ってみせる。
「亜衣ちゃん、集中できなかっただろ。それを予想するぐらい簡たげふっ」
途中で言葉が途切れたのは、私が本で教授を叩いたからだ。
ごめんなさい、本さん。とっても面白かったです。
「何するんだい、亜衣ちゃん」
「集中できないのがわかってるんなら途中で読むのやめてよっ」
「名探偵は物語の最後に登場する――」
「それが?」
「僕は焦らす主義なんだ」
もう一発殴った。
2007/12/31(Mon)01:53
「あんたが私の事嫌いなのはわかったから」
くみふせられて、いる。
組み敷かれている――が正しいのだろうか。
押し倒されている、とも言うかもしれない。
魔人は、嗜虐的に笑う。
「お願いだから――こういう嫌がらせは、止めてくれる」
他は、まあいい。
良くはないけれど、殴られるのも蹴られるのも捕まれるのも虐げられるのも全部、慣れた。
だけどこういう事は――慣れていない。
慣れちゃいけないとも、思う。
「どうせテレビか何かで得た知識なんでしょ――ネウロ」
こういうのって、好きな人同士がやるものだから。
そう呟くと、何だか涙が出た。
それは、好きでもない者に犯されそうになっている恐怖ではない。
「我輩は、お前が好きだぞ、ヤコ」
何故か、その時私は。
魔人の言葉に一切の嘘も勘違いも何もなく、真実である事を悟った。
2007/12/30(Sun)23:42
日本が、ティッシュペーパーを貸してくれと言い出した。
何に使うのかと思いながら差し出すと、彼は礼を言いながら二枚抜き出し、一枚を丸めてもう一枚で包む。
手元から赤い糸を抜き出して、包んだティッシュを止めるように結んだ。
「日本、それは?」
「てるてる坊主といいます」
「てるてる?」
「はい。雨が降っていますから――帰るまでにやめばいいと。即興ですが」
それは、雨を止めるおまじないなのだそうだ。
「普通は軒につるすのですけれど」
そう言うのでてるてる坊主を借りて、窓際につった。
「……イギリスさん」
「何だ、日本」
「それ、逆です。それだとるてるて坊主ですよ」
「るてるて?」
「それでは雨乞いになってしまいます」
重いほうを下にしたほうが良いと思ったのだけれど。
日本が笑うものだから、恥ずかしくなって外そうと試みる。
途中で止められた。
「いいですよ、イギリスさん」
「これだと雨がやまないんだろう? い、いや別にお前の為じゃないけどな。俺も洗濯とかしたいし」
「雨がやむまで、帰りませんから」
「え?」
頬が熱くなる。
日本の顔も、赤かった。
何となく視線を反らし、日本の作ったティッシュの物体を見る。
頼んだからな、るてるて――と心で呼んでみたりした。
2007/12/30(Sun)21:32
ああいう人間はとても困るというのが、自分の本音だった。
自らの主義主張が出来ず、どちらともつかない曖昧な行動を取る者は少なくないし、それはある種で処世術の役割も果たす――その弱さ、優柔不断さは武器となる。
だが――自らの主体を持たず、此岸の住人なのか彼岸の住人なのか、どちらともつかないような曖昧さの権化のような者は、きっと多くはない。
だから困るのだ、と思った。
自分を困らせている張本人の名前は関口巽という。
関口は恐らくは此岸の住人なのだが、時折酷くあちら側に惹かれてしまう。
惹かれて――引き込まれそうになる。
自分はとりあえずそれを止めるのだが、もしかしたら彼岸に行った方が関口の為なのかも知れないと、よくわからなくなる。
とても困る。
だから自分は――中禅寺秋彦は、関口巽の事が割合苦手である。
苦手と言うより、嫌いなのだろうか。
憎悪とはいえないが、嫌悪の対象ではあるかもしれない。
ふらふらと、あちらに行ったり此方に来りするその姿は、妙に自分を誘う。
境界足れと思っている自分を、誘う。
恐らく自分と関口は似ていないのだろうと思った。
人間の個性など所詮は、限られた札を永遠に交換しているだけに過ぎないというのに――運が良かったのか悪かったのか、彼と自分は似ていない。
似ていないから苦手なのかと思うと、自分はまだ幼いと失笑が漏れる。
「思うんだがな、中禅」
「何です、榎木津先輩」
「お前多分、関の事好きだぞ」
似ていないといえばこの奇人も随分自分に似ていない。
彼の場合は、札遊びにおけるジョーカーの様な物だから仕方ないのかもしれないが。
意味のわからない発言を、ジョーカーはする。
「それは違うと思いますよ。確かに僕は彼の世話をよく焼いていますから、抱いている感情は好意に近いだろうという推測が立つのは仕方がありませんが。しかし僕が彼の面倒を見ているのは、ただ我慢がならないだけで、どちらかといえば嫌悪に近い。潔癖症の人間を、汚れた部屋に放置している状態に似ています」
「お前はぐだぐだと喋るが、言いたい事がチッとも伝わらない」
「簡潔に言うと、僕は関口が好きではありません」
「なら僕が関口が好きだといっても良いのか?」
「好きだと言うのは自由でしょう」
「好きに任せて関口を襲うかも知れない」
「それはやめてください。彼岸と此岸をうろうろされると目障りなので」
「嫌なんじゃないか」
「ですから――」
「中禅寺、お前は関が好きだよ」
奇人は高らかに笑うと、颯爽と去っていってしまった。
確かに彼は奇人だが、間違った事など言わないというのに、珍しい事もある。
とりあえず本を返しに行って――それから部屋に戻ろう。
そう思い、歩き出した。
2007/12/30(Sun)21:04
NO JAPANESE (配付元)
京極堂シリーズ ヘタリア ネウロ はやみねかおる作品
001.siroop(シロップ)
夢水:教亜衣***002.ism(主義)
003.lyrical(叙情的)
004.impulse(神経を伝わる興奮)
005.screw(螺子)
006.allegory(たとえ話)
007.jeer(冷やかしの言葉)
008.planchette(こっくりさんに同じ)
009.halo(太陽、月の周りに見える光の輪)
010.fuzzy(曖昧な)
011.jinx(ジンクス)
ヘタ:米日***012.apoptosis(細胞の死の様式の一つ)
013.irony(皮肉)
014.id(自我・超自我)
015.skunk(無得点で負けること)
016.chain(連鎖)
017.elocution(話術)
018.rapture(有頂天)
019.coo(甘い囁きを交わす)
020.stand play(わざとらしい行為)
021.kibe(しもやけ)
022.irrational(理性を失った)
魔人:ネウヤコ***023.ESP(超感覚的知覚・例:テレパシー)
024.oriental(東洋的)
京極:中関***025.Antithese(否定的主張)
026.confeito(金平糖)
027.metro(地下鉄)
028.hound(猟犬)
029.clack(ペチャクチャ早口でお喋り)
030.Jodtinktur(ヨードチンキ)
031.raison d' etre(存在理由)
032.dilemma(ジレンマ)
033.nap(うたた寝)
034.sigh(溜息をつく)
035.ede(果汁から作った甘味飲料)
036.boozy eyes(酔眼・酔っぱらって定まらない目つき)
037.oxidant(オキシダント・光化学スモッグの原因)
038.syndrome(症候群)
039.kitsch(まがいもの)
040.response(応答)
041.tit for tat(売り言葉に買い言葉)
042.squall(スコール)
043.Io(イオ・ゼウスに愛されたがその妻ヘラに妬まれ白い牝羊に変えられた少女)
044.egotism(自惚れ)
045.strider(あめんぼ)
046.chaos(混沌)
047.nil admirari(無関心)
048.symmetry(左右対称)
049.kaleidoscope(万華鏡)
050.baa-lamb(「メーメー子羊さん」幼児語)
051.echo(木霊)
052.squash(果汁をソーダ水で割った飲料)
053.fair(縁日)
054.silent picture(無声映画)
京極:榎木場榎***055.misunderstanding(勘違い)
056.etranger(見知らぬ人)
057.dropout(落ちこぼれ)
058.junk(がらくた)
059.weathercock(移り気な人)
060.pit(罠)
061.seesaw(シーソー)
062.cachet(オブラート)
063.watercolor(水彩絵の具)
064.Nike(ニケ・勝利の女神)
065.dizzy(目眩がする)
066.Singer(芸者)
067.zero-sum(差し引きゼロ)
068.variable ster(変光星)
069.sailing(航海)
070.maiden at Orleans(オルレアンの乙女・ジャンヌダルク)
071.coward(臆病者)
072.doubt(疑う)
073.cheap talk(安っぽい話)
074.hurt(傷つける)
075.Seele(魂)
ヘタ:英日***076.rainmaker(雨を降らそうとする人)
077.tete-a-tete(二人だけの内密な話し合い)
078.deja vu(既視感)
079.abandonment(自暴自棄)
080.matchstick(マッチ棒)
081.Toxin(毒素)
082.dead end(行き止まり)
083.trace(跡をたどること)
084.limelight(名声・評判)
085.rat(実験用のネズミ)
086.die(サイコロ)
087.serendipity(幸運を招き寄せる力)
088.Nightingale(ナイチンゲール・人、鳥どちらでもok)
089.blaiz(炎)
090.friable(脆い)
091.dogma & bias(独断と偏見)
092.tick-tack(チクタク・時計の動く音)
093.red dragonfly(赤蜻蛉)
094.stray(道に迷う)
095.tetra(四)
096.duck and drake(水切り遊び)
097.spray(しぶき・水煙)
098.somniferous(催眠性の)
099.scurry(小走り)
100.no japanese no life(日本語無しでは生きられない)
書いたらちょっとずつ書き込んでいきます。
2007/12/29(Sat)16:16
なんだか、とてもつかれた。
自分は何をしてこんなに疲れているのだったか――それすら、わからない。
とても、疲れている。
「ドイツさん?」
誰かの声が聞こえた。
その誰かは「そんなところで寝たら風邪を引きますよ」と、お約束の言葉を言う。
それから毛布を取りに行くような事を呟いて、一旦気配がなくなった。
意識の空白に、ゆっくりと音が流れ込んでくる。
誰かのはなうたのようで。
そのメロディで漸く、それが誰かを理解した。
「……日本」
「! すみません、起こしてしまいましたか」
日本の音楽は、不完全だ。
こちらに不安すら覚えさせる、危うさを持っているようにも思える。
旋律が時折狂ってしまっていて、しかしその狂いこそ予定されていたものらしい。
きっちりと刻まれる自分達の音とはまるで違い、彼のメロディはよくぶれる。
しかしぶれるにも関わらず、芯は酷く強いのだ。
「いや、寝る――良かったら、もうしばらく、唄ってくれ」
「……下手な歌ですけれど」
どうせ上手いかどうかなどわからない。
どちらにしろ自分達の聴きなれた音とは違うのだから。
上手いかどうかなど、わからないけれど――
「好きだ」
「え?」
口をつぐみ、睡眠に身を任せる。
しばらくの沈黙、それから――音。
彼の、彼だけの――旋律だった。
No.2|ヘタリア|Comment(0)|Trackback()